中高年の尿失禁(尿漏れ)
Q.質問
最近、下着に色がついて尿が漏れていること(尿漏れ)が多いです。どうしたらよいでしょうか?(中高年の男性・女性から)
A.答え
尿漏れの原因となる、前立腺肥大(男性)や、骨盤底筋の低下(女性)に対する治療法が増えてきていますので、尿漏れの症状があったら一度、泌尿器科医などの専門家に、排尿機能に問題がないか、長期的な療養方針を決めてもらうと良いでしょう。排尿後の残尿量の検査などがなされることがあります。
直腸がんや子宮がんの手術後や、前立腺や膀胱がんのために尿が漏れる場合は、恥ずかしがらずに、担当医に相談してください。 そのうえで尿漏れが続く場合、オムツや尿漏れパッド・パンツなどを使うと良いでしょう。吸水性が高く、かぶれにくいオムツがあります。男性の場合には 陰茎を包むタイプもあります。自分に合うものを選ぶと良いでしょう。
就寝前には吸水性の高いものを用いるようにします。
尿が漏れることは在宅療養において大きな問題ではありますが、恥ずかしがらず介護や看護の専門家 と相談し、本人や家族ができそうなところからいろいろなやり方を試してみると良いと思います。
なお、尿漏れには、以下の種類があります。これらのどれに当てはまるかで、対応を変えていく必要があります。関連する項目をご覧ください。
(1)重いものを持ち上げたりお腹に力を入れたりすると漏らしてしまう。女性に多く、骨盤底筋が弱くなって膣や膀胱が垂れ下がると尿失禁になりやすい。
(2)膀胱が過剰に活動することで急に強い尿意が起こり、我慢できずに尿が漏れてしまう。
(3)男性に多く、前立腺肥大などによる排尿障害が前提にあり、自分で尿を出したい時に出せないが、尿が少しずつ漏れ出てしまう。
(4)排尿機能は正常にもかかわらず、運動機能の衰えや認知症が原因でトイレに行く動作ができずに漏らしてしまう。
執筆者 | 児玉 龍彦 |
公開日 | 2022年3月22日 |
文書番号 | gw0179 |
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