訪問看護サービスにかかる費用と自己負担額

訪問看護サービスにかかる費用と自己負担額

Q.質問
訪問看護師さんに訪問してもらうのには、料金はどの程度なのでしょうか。

A.答え
訪問看護サービスの料金を説明するのが非常に難しいです。理由は、以下のようです。

医療保険と介護保険の両方に関与すること
それぞれの保険で料金体系が違うこと
算定される加算が多いこと

たとえば、医療保険では、標準的な訪問時間が30〜90分での料金ですが、介護保険では分刻みでの料金です。24時間体制加算や特別管理加算など加算が多く、さらに医療保険の自己負担割合と介護保険の自己負担割合がそれぞれ違います。

<「がん末期」は特別な制度があること>
「がん」という病名の場合は、年齢によってどの保険の対象か違いますが、「がん末期」の場合は、高齢者でも介護保険利用者でも医療保険の対象となります。

<自己負担割合の違いにより支払い額が異なること>
「高額療養費制度」「在宅末期総合診療」など訪問看護料金(自己負担)に関係する制度があります。
75歳未満の場合は、ご本人の負担割合によって自己負担額はかなり違いますが、75歳以上であれば後期高齢者医療保険の対象なので、1割負担()となります。ただし、制度上訪問回数に限らず(1か月8回訪問しても)、1か月18,000円が上限となります。

例)60歳のがん末期で、週3日(月に13日)訪問し、24時間対応加算がつく場合で負担割合が3割の場合(2020年時点)
(1)21,645円(5,550円×13日×0.3)
(2)11,685円((7,050円+2,900円×11回)×0.3)
(3)1,620円(5,400円×0.3)
-----------------------------------------------------------
(1)+(2)+(3)=34,950円 (1回の訪問で2,688円の自己負担となる)

:一定の所得があり75歳以上の後期高齢者の医療費窓口負担を1割から2割に引き上げる医療制度改革関連法が2021年6月4日国会で成立しました。単身世帯は年金を含め年収200万円以上、複数世帯では合計320万円以上が対象となります。導入時期は2022年度後半で今後政令で定められます。

執筆者宮崎 和加子
公開日2021年7月1日
文書番号gw0031

【関連記事】

【関連キーワード】

Powered by Helpfeel