在宅療養を支える家族の心構え
Q.質問
本人が家でゆっくり療養することを望んでおり、それができるなら本人の思う通りにしてあげたいと思っています。とはいえ、がんを抱えた家族を世話した経験もなく、本当に家で生活できるのか不安です。どのような心構えが必要でしょうか。
A.答え
周囲の手助けを借りることを前提に、「一人で抱え込まないこと」が大切です。
ご家族が在宅療養を始めるにあたって、ご本人を十分に支えられるのかご心配ですね。在宅療養には、マニュアルやこれと決まった型はなく、患者さんご本人と家族の数だけ、それぞれに療養のかたちがあります。
最初から完璧に支えようと気負わず、患者さんとご家族で日々を積み重ねて療養のかたちをつくっていくのだという気持ちで準備を進めましょう。
「心の準備」という観点で一つぜひ知っておいてほしいことは、身近に介助するご家族が一人ですべてを抱え込む必要はないということです。大切な方が体調のすぐれないなかご自宅で暮らすという状況下では、身体的な介助の負担も加わって、肉体的にも精神的にも消耗が大きくなりがちです。
ほかのご家族や親族、外部の支援者――医療者や介護職者はもちろん、近所の親しい方、在宅療養に理解を示してくれる友人や知人など、患者さんを支えるご家族の支えになってくれる方を一人でも多く見つけて、話し相手やお手伝いをお願いしましょう。
周囲を巻き込むことに罪悪感を覚える必要はありません。在宅での暮らしや気がかりなことを気軽に話せる人がいることが、家族にとって心の支えになります。あなたは一人ではありません。
執筆者 | 渡邊 清高 |
公開日 | 2021年7月1日 |
文書番号 | gw0095 |
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