がん治療をしながらでも在宅療養はできるものですか
Q.質問
がん治療のためしばらく入院していましたが、現在は通院で治療を受けています。家で過ごす時間が長くなり、一人でいると不安になります。私は家で過ごすことができるのでしょうか。
A.答え
がんのどの段階でも、住み慣れた場所で過ごすことができます。
がんの病状や治療の状況に応じて、主な生活の場が変化することは自然なことです。これまでの生活では入院している期間が長く、家にいる時間は短かったかもしれませんが、徐々に普段の生活リズムを取り戻したり、自宅で療養する時間が長くなっていくのが一般的です。
病気の見通しや治療の予定を確認しておくと、これからの過ごし方を考えるときの参考になります。
病状の見通しを医師に尋ねるのは不安かもしれませんが、これからの時間を家でゆったり過ごすことができるのであれば、数か月先の見込みや、生活への影響について尋ねてみることもよいかもしれません。たとえば、「旅行に行ってよいか」「外出はどのくらいまでできるか」といったことでもよいと思います。
今まで入院して過ごすことが多かった場合には、家で過ごすための準備も必要だし、手続きのこともある、そして気持ちの整理がついていないことも多く、どこから始めたらよいのか、混乱していることもあるかもしれません。
生活のこと、お金のこと、手続きのこと、身の回りのこと、そしてこれからの通院のことなど、いろいろ考えたり行わねばならないことはありますが、それをご自身や身近な方だけですべて背負って準備しなければいけない、ということではありません。
ご家族や身近な方、お近くの方や療養を支えてくれる人たち(支援者)、医療・介護などの専門職者の助けを得ながら、「一緒に支え合っていく」というくらいの気持ちで大丈夫です。
ご自分で、「どんなことを大切にしたいか」「困ったときに誰に相談したいか」「家でどう過ごしたいか」など、これからの過ごし方についてあらかじめ考えたり、家族や身近な方と話し合っておくとよいでしょう。
普段の何気ない会話のなかで、こうしたことを話題にしておくのもよいかもしれませんね。
執筆者 | 渡邊 清高 |
公開日 | 2021年7月1日 |
文書番号 | gw0098 |
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