ベッド上での排泄介助方法
Q.質問
在宅療養をしている妻は、それまでポータブルトイレを使用していましたが、徐々に座ることが難しくなってきたため、排泄をベッド上で行うことになりました。家族ができるベッド上での排泄のケアについて教えてください。
A.答え
ご本人の気持ちに配慮しながらサポートすることが大切です。
ベッド上での排泄介助の方法は、その方の性別や、排尿か排便か、また身体の状態などによって異なります。
排泄は尊厳や羞恥心に関わる行為であることから、多くの方が「最後まで自分で行いたい」と思う動作です。できる範囲のことはご自身で行ってもらい、ご家族はそれをサポートするというスタンスが基本です。
ここではすでに「オムツを使用している方のベッド上での排泄の介助」についてご紹介していますが、あくまで一例です。
その方の状況や病状によって適切な介助やケアの仕方は変わってきます。在宅支援チームのスタッフに相談しながら、よりよい方法を探っていきましょう。
【用意するもの】
防水シートまたは新聞紙、ふたに穴を数カ所あけたペットボトル(お湯を入れる)、トイレットペーパーまたは市販のお尻拭き、オムツ、尿取りパッド、古布(あると便利)、使い捨て手袋、消臭スプレー(必要に応じて)
【手 順】
(1)防水シート(または新聞紙)を腰から太もものあたりにかけて敷き、ズボンを下ろす。
(2)手袋をはめ、オムツの前面を外し、本人が自力で横向きになれる場合は自力で、その力がない場合は、腕を胸の前で組み、両膝を立て、介護者が立つ反対側に倒して体を横向きにする。
(3)排泄物をやさしく拭き取り、お湯で陰部を洗い流し、押さえながら拭く。
(4)新しい尿取りパッド、オムツをあてる。尿取りパッドやオムツは体の中心に合わせ、隙間ができないようにする。
(5)汚れたオムツ類は速やかに片づける。
(6)体位を元に戻してズボンを上げ、ベッド上の環境を整える。
【ポイント】
看護師やヘルパーからコツを教えてもらいましょう。
上手な人のやり方を見る、まねる、やってみる、を繰り返すとよいでしょう。
ご本人の気持ちに配慮して、体を動かすとき、洗い流すときなどには声をかけましょう。
排泄後は部屋の空気を入れ替えましょう。
石けんを使う場合は十分に洗い流すようにしましょう。
執筆者 | 渡邊 清高 |
公開日 | 2021年7月1日 |
文書番号 | gw0131 |
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