認知症の進んだ高齢者の夜間頻尿
Q.質問
高齢の祖母を時々、実家で介護しています。 最近、認知症の症状がより強くなり、夜の尿の回数が増え、ひどいときは15分に1回ほど起きてお手洗いに行こうとします。私は隣の部屋で寝ているのですが、夜にゴソゴソ動き出すと気になってしまいます。本人も私も寝不足になって大変です。膀胱に管を入れてしまうのはいかがでしょうか?(40代女性)
A.答え
膀胱に管(カテーテル)を入れっぱなしにするのは、積極的には推奨できません。何より本人の不快感が強く、とくに認知症がひどくなっていると、無理に抜いてしまおうとして出血などする危険性もあります。
夜間に頻回にトイレに行くという夜間頻尿は高齢の在宅療養者のケアをしている家庭でもしばしば起こる問題であり、本人も介護者も寝不足になって疲弊してしまいます。
認知症になると、記憶障害だけではなく理解力や判断力も衰えます。尿意を感じたらトイレに行くといった基本的なことさえ認識できなくなる場合もあります。
こうした時には、トイレまでの移動がスムーズになるよう動線や環境を整えたり、本人が寝ている部屋にポータブル便器を置いたりすると良いでしょう。
夜間頻尿は不安や不眠による緊張が原因となっている場合も多いので、昼間の活動量を増やし生活リズムを整えることが大切です。就寝前に付き添ってトイレを済ますことを習慣づけることも効果的です。
最近、尿の吸収量が多く肌荒れの少ない高齢者用のおむつの開発が進んでいます。おむつで失禁に対応できることが増えています。ただしこの場合は、訪問看護、介護での清潔を保つサポートが必須となることがポイントです。
執筆者 | 児玉 龍彦 |
公開日 | 2022年3月22日 |
文書番号 | gw0178 |
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