食欲不振の時どんな工夫をしたらいいですか
Q.質問
夫が在宅療養中です。このところ体が弱ってきており、食欲不振が続いています。何か少しでも口にしてほしいと思い、いろいろ作ってみるのですが、どうしたら食べてもらえるでしょうか。
A.答え
「好きなものを食べたいときに食べたい量だけ食べる」ことを大切にしましょう。
療養中、食欲不振を経験する方は少なくありません。原因は、もともとの病気や、がんに伴う体のだるさ、薬の影響などさまざまですが、複数の要因が重なっており、いろいろな対応をしても、十分回復しないことも多くあります。
そのようなときは、ご家族の「少しでも食べてほしい」という気持ちがかえって患者さんとご家族の負担になることもあります。
無理に食べさせようとせずに、ご本人が食べたいと思うものを、食べられそうなときに食べたい量だけ食べてもらうことを大切にしましょう。食事は「無理なく、楽しく、おいしく」が大切です。
たとえば、ミックスジュースやアイスクリーム、スープやそうめんなど、冷たいものや喉ごしのよいもの、やわらかいものなら食べられるという方もいます。そういったものを中心に、ご本人が食べたいと思うものを、好きな味付けで食べやすいように調理してみるのもよいかもしれません。
また、少量でも栄養価の高い栄養補助食品を取り入れてみるのもよいでしょう。 味付けや形態、見た目を工夫するなど、ほかにも食事の工夫はありますので、在宅支援チームに相談してみましょう。
なお、もし食事や水分をほとんど摂ることができないようであれば、在宅支援チームに相談してみましょう。栄養や水分管理など、専門的な視点で評価がなされたり、必要な検査、処方や輸液などで改善が図られる場合もあります。
病状によっては、口からの摂取が難しいこともありますので、ご本人・ご家族と話し合いながら、一番楽に過ごせる方法として必要最小限の輸液を行ったり、脱水がなければ点滴を行わず症状に応じてつらさを取り除くことを優先して対応していきます。
執筆者 | 渡邊 清高 |
公開日 | 2021年7月1日 |
文書番号 | gw0123 |
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