がんで余命宣告を受けた場合に、まず何を考えたらいいでしょうか
Q.質問
まさか自分が…。まだ、はっきりしないのですが、進行したがんで予後が短いと言われそうです。頭が混乱して何をどう考えればよいのかわからず戸惑っています。まず、どうすればいいのでしょうか。
A.答え
自分としっかり向き合って自分自身の気持ちを確かめるとよいでしょう。
さて、どうすればいいでしょうか…。それは、あなた自身が立ち止まって、自分自身と向き合って自分の本音を素直に受け入れていくことなのではないでしょうか。
ある講演会で20〜80歳代の聴衆の方にこういう質問をしました。「あなたが、明日、がんが進行した状態であと半年の命と言われたら、どう思いますか。そして半年間に何をしますか」と。
答えは、「どうして自分ががんに…」「そんなはずはない。何かの間違いでは」「悔しい。まだまだやりたいことがあったのに」「目の前が真っ暗だ」などと拒否的な反応の人が8割でした。
しかし1割の方は「自分もがんになったか。そろそろ自分の番がくるかと思っていた」「そうか、ドタバタしないように心の準備はできている」と言うのです。
さらに残りの1割の方は、「がんになってよかった。やっと先に逝った好きな人に会える」「がんといわれ、すっきりした。症状があるのに原因がわからずうつうつとしていた。やっと心が決まった」「がんといわれ、ほっとした。この忙しさやしがらみから解放される」と言うのです。
どうも、「予後が短い」という状態は、人により、状況により受け止め方がかなり違うようです。
ですから、今の自分が置かれている状況や自分の人生に対する考え方、誰の目も気にしないで本当の自分の本音と向き合って、これからの限りある時間に何をするのかをじっくり考えることが大事なのではないでしょうか。
ちなみに、前述の聴衆者の「半年間に何をしますか」の答えは、おおむね3つでした。
1つは、身辺整理(とにかく自分所有のものの整理)、2つ目には、家族や友人との時間を過ごすこと(旅行やビデオメッセージを残すこと、最期の宴会、生前葬など)、3つ目には旅行ややり残しをすること(行ってみたいと思っていたところへの旅行、お墓参り、謝らなければならない人への謝罪、家族に内緒の人に会いたいなど)でした。
いつからでも終活は必要かもしれません。
執筆者 | 宮崎 和加子 |
公開日 | 2021年7月1日 |
文書番号 | gw0002 |
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