在宅介護による疲労とストレスのケア
Q.質問
在宅療養をしている妻の介護を続けています。妻は体が不自由になってくるにつれ、不機嫌になり、私のすることにいちいち文句をつけてきます。こちらも対応に疲れてしまい、やさしくできないことがあり、自己嫌悪に陥っています。このままだと体がもたず、心も折れてしまいそうです。どうしたらよいでしょうか。
A.答え
ご家族の健康もご本人と同じように大切です。在宅支援チームに相談しましょう。
大切な人が弱っていくのを間近で見ているのは大変つらいものです。また、病状が変化するなかで、療養されているご本人がふさぎ込んだりご家族に当たったりすることはよくあることです。
介護するご家族は知らず知らずのうちにストレスをためこんでおり、時にはご本人以上にサポートやケアが必要になることもあります。
そのようなときは、一人で抱え込まずに、誰かに気持ちを聞いてもらうことが大切です。ご家族の間でつらい気持ちを話し合い共有することも大事ですが、負担やストレスが大きすぎると感じたときは、遠慮なく在宅支援チームの力を借りるようにしましょう。スタッフはご家族の心身の健康も気にかけていますから、安心して相談してください。
また、疲れやストレスから、介護を投げ出してしまいたい気持ちになることもあるでしょう。そのようなときは、一時的に介護から離れる時間をつくることも必要です。
「レスパイト入院」といって、介護疲れや急な所用ができたときに、一時的にご本人に入院してもらうことで、介護者の方の休息や自由になる時間を確保することもできます。短期間でも介護を休むことができれば心身のリフレッシュになり、新たな気持ちで再びご本人に向き合いやすくなります。
ご本人の言動にストレスを感じたり、やさしくできずに負い目を感じてしまう場合は、在宅支援チームに相談したり、思い切ってご本人に打ち明けてみるという方法もあります。
病気だからと特別扱いするよりも、本音を言い合える関係で接するほうが、お互いに気持ちが楽になることもあります。また反対に、少し距離を置いたほうがよいこともあります。
ご家族は、ぜひご自身の体調や心の状態を大切にしていただき、無理のない範囲で介護やケアにあたっていただきたいと思います。
執筆者 | 渡邊 清高 |
公開日 | 2021年7月1日 |
文書番号 | gw0135 |
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