がんの転移と新型コロナウイルス感染症の重症化リスク

がんの転移と新型コロナウイルス感染症の重症化リスク

Q.質問
肺転移を経験しています。転移先の部位によって重症化のリスクは異なるのでしょうか?

A.答え
呼吸機能に影響のある肺転移の場合に重症化のリスクが高いと考えられていますが、症状の程度や、全身状態などによって異なります。

がんと診断されていない方に比べて、がんを患っている方では重症化のリスクが高くなる可能性があります。がんが局所にとどまっている場合にはリスクは変わらないという報告もあります。

遠隔転移(離れた臓器にがんが広がっている状態)を伴う場合には、よりリスクが高くなると考えられています。肺への転移やがん性の胸水・胸膜炎など呼吸機能に影響のある転移の場合にもリスクが高いことが報告されています。

脳や肝臓、骨などほかの臓器への転移に伴うリスクについては、個別の転移部位ごとの報告はデータが十分ではありません。高齢者や、臓器障害のある場合には、リスクが高いことが報告されています。

具体的な臓器障害には、呼吸器の障害(慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎など)、心血管障害、糖尿病、慢性腎障害などが挙げられます。

重症化のリスクについては、お一人お一人の状況に応じて考えていく必要があります。わからないことは、担当医や医療者に相談してみましょう。

執筆者渡邊 清高
公開日2021年7月1日
文書番号gw0150

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