がんの終末期における痛みの緩和と看取り
Q.質問
家族が病院で亡くなったことがありますが、点滴につながれじっと寝ていることが多かったです。時々苦しくなると医師が楽になるような治療をしてくれていました。在宅でもがんの終末期における痛みを、最期のときまで緩和してもらえますか
A.答え
自然な死の経過でも、本人の苦痛を取り去ることができるようになってきています。在宅ケアでは、その人の暮らしを最優先しながら緩和ケアや症状緩和をします。
がんの終末期における‟自然な死”とは、痛みや身体的苦痛(呼吸苦・腹満感・吐き気・不眠など)をとることを十分行いながらも、食べられない・水分が飲めないといった状態に対しては外からの力を加えずに見守っていき、自然な形で命を終えるということではないでしょうか。
こうした状況では、脱水状態・あるいは低酸素状態などになりますが、それは回復を目指すための治療対象ではなく、自然な姿であり、何よりも本人の苦痛が少ないことが多いのです。
在宅でたくさんの方のお看取りのご支援をさせていただいた経験からすると、自然な形での死は極めて苦痛が少ないです。苦しみがなく、静かに最期の時期を過ごし息を引き取るというものでした。それは理論的にも説明されているものです。
中には、多少苦痛がある場合がありますが、在宅医が状態に適した対応をしてくれることがほとんどですので、そう心配はないといえるでしょう。
執筆者 | 宮崎 和加子 |
公開日 | 2021年7月1日 |
文書番号 | gw0081 |
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