在宅療養への移行に心配や不安が残る時

在宅療養への移行に心配や不安が残る時

Q.質問
通院中の母が、今後は地元の在宅医にかかって在宅での療養に移ることを勧められました。本人も希望しているので受け入れたいのですが、家族にもそれぞれ仕事や学業があり、生活に介助が必要な状態になっている母が在宅で過ごすことでどんな毎日になっていくのか想像がつきません。

A.答え
まずは今後の見通しを確認し、必要な情報を収集していきましょう。

現在、地域の医療施設や訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所などが連携し、在宅で療養する患者さんやご家族を支える仕組みが整備されつつあります。

在宅での療養においては、ご本人や家族が前向きに考えて受け入れられるか、納得して準備を進めることができるかどうかで、その後の療養生活の質が変わってくると言ってもよいでしょう。そのためにも心の準備や生活の場づくり、体制づくりが必要です。

まずは現在通院している病院の担当医に今後の見通しについて十分に説明を受けましょう。そのときに、病状や治療の経過など、治療に関する内容に加えて、家での生活に向けて必要な情報について確認しておくとよいでしょう。

具体的には、普段の生活で心掛けておくこと、体調がすぐれないときの対応や、食事についての留意点、今後の通院の予定などです。介護保険の手続きなど、事前に準備が必要なものは早めに相談しておきましょう。

急にこれまでの医療機関から担当医が変わることが難しいこともありますので、医療機関によっては、かかりつけ医との「二人主治医制」や、「地域連携手帳(クリティカルパス)」などの仕組みを活用することで、患者さんの情報を共有し、急な変化があった場合の対応を含めて連携してサポートする仕組みが整いつつあります。

まずはこれからの療養生活についての情報を収集し(病院の患者相談窓口、がん相談支援センター、地域医療連絡室など)、在宅療養の利点や、心配ごと・解決すべき課題を整理することから始めましょう。

在宅療養は、「家族だけで頑張り続けなければならない」というものではなく、ご本人を含めて、ご家族、周りの方が、在宅での生活を支援するチーム(在宅支援チーム)と一緒に歩んでいくというイメージでとらえるのがよいと思います。


執筆者渡邊 清高
公開日2021年7月1日
文書番号gw0114

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