この先亡くなってしまうかもしれないと思うと、気持ちが動揺してしまう
Q.質問
お別れの時期が近づいているという現実を受け止めることができません。「あのときもっとこうしていれば…」という後悔の念が湧き上がってきて、毎日とてもつらく、やるせない思いでいっぱいです。「最期のとき」とどのように向き合えばよいでしょうか。
A.答え
「最期のとき」に向き合うことは誰にとっても難しいことです。大切な人とのお別れが近づいていることを受け止めるのは簡単なことではありません。
現実を受け止められないつらさに加え、これからの生活に関する現実的な不安や悩みが重なり、気持ちが不安定になってしまうこともあると思います。
混乱や不安の多い時期にしっかりとした心構えをもつことはとても難しく、またお別れのときを迎えることに対する受け止め方は一人ひとり異なります。
ご本人とご家族が話し合ったり、周囲の人から手を差し伸べられたりすることで、つらさや悲しみを和らげることが可能になる場合もあります。
ご家族は自身のありのままの気持ちを認め、ご本人とお互いの不安やつらさ、悲しみを分かち合うことで、一人きりではないことを知り、支え、励まし合うことができるかもしれません。
たとえば、ご本人の気持ちを尊重しつつ、ご家族の希望や考えも伝え、共有することで、どうすればご本人に寄り添ったり、最良の支えになったりすることができるかなど、これからの見通しや理解がより深まることもあります。
また、最近ではご本人に加えて、ご家族と一緒に支える、あるいはご家族が抱えることの多い不安や悩みもしっかりサポートしていくという支援やケアの考え方が広がってきています。
気持ちの整理のために、日々起こったことだけでなく、つらい気持ちも日記やメモに書き留めたり、友人や親しい人など信頼できる人に気持ちを打ち明けてみるのもよいかもしれません。想いを分かち合える人とのやりとりが、助けになることもあります。
一人ですべて背負う必要はありません。ご家族ができることをあらかじめ決めておき、ご家族の頑張りだけでは難しいことがあるときには、周囲の助けを得ることも大切です。
執筆者 | 渡邊 清高 |
公開日 | 2021年7月1日 |
文書番号 | gw0115 |
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