最期が近づいてきた時はどのような前兆や変化が見られますか
Q.質問
在宅で療養を続けてきた妻の「最期のとき」が近いことを感じています。これからどのような変化が起こってくるのか、そのときどうしたらよいか知っておきたいです。
A.答え
最期のときが近づくと、体にはさまざまな兆し(サイン)があらわれます。それは主に意識の低下(刺激や痛みなどへの反応がなくなる)や呼吸の変化です。
こうしたサインを初めて目にしたときには驚き、慌ててしまうかもしれません。しかし、それらが自然な変化であることをあらかじめ知っておくと、落ち着いて向き合うことができるでしょう。
亡くなる前にみられるサインの具体的な例として以下のようなことがあります。つらい様子はないかどうか確かめながら寄り添っていけるとよいと思います。
ものを食べられなくなる。
水をほしがる。
トイレに立てなくなる。
横になる時間が長くなる。
会話がちぐはぐになる。
葬儀など、自分の死後の事柄を気にし始める。
すでに故人となっている家族や知人について語る(お迎え体験)。
この世ならぬものを見ているようなまなざしになる。
周囲の人にお別れのことばを口にする。
一時的に食欲が戻ったり、意識がはっきりする(中治り)。
眠る時間が長くなる、不規則な呼吸や無呼吸が現れる。
手足が冷たくなる。
血圧が下がる。
口をパクパクさせるように動かす呼吸の変化(下顎(かがく)呼吸)が現れてから亡くなるまでは1~2時間である場合が多いのですが、数日のこともあり、亡くなり方はお一人おひとりで異なります。
「眠るように息を引きとる」というように、普段の生活でちょっとうたた寝をしていると思ったら息を引きとっていた、ということもあります。
喘鳴(ぜんめい)と言って、喉の奥のほうでゴロゴロと音がすることもあります。痰がからんで苦しそうに感じますが、ご本人は苦しく感じていません。
吸引器を用いてもうまく取れないことが通常ですので、顔を横に向けるなどして見守りましょう。
執筆者 | 渡邊 清高 |
公開日 | 2021年7月1日 |
文書番号 | gw0137 |
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