在宅療養に関する自分の考えや希望を家族に伝えること
Q.質問
自分の希望で在宅での療養を始めることになりました。しかし、自分が家で過ごすことで家族の負担が増えるのではないかと心配です。家族も忙しくしているなかで、どれだけ頼れるのかも不安です。これからのことについて、家族にどう話せばよいのでしょうか。
A.答え
ご自身の希望を率直に伝えて話し合ってみましょう。
これからのご自宅での過ごし方、治療や療養の方針を決めるためには、当然のことですが、ご本人の気持ちが何よりも大切です。これからどのように過ごしたいのか、ご家族や身近な方とどうかかわっていきたいと考えているのか、どのような場所で療養を望んでいるのか――。
ご自身の想いや希望をまとめておくことは、これからの療養生活の基本的な方針や方法を決定していくうえで、なくてはならないものです。
ご家族も、これからどう過ごしていくか、まだ落ち着いた気持ちになれないかもしれませんが、対話を重ねることで、少しずつ分からないことや不安を解消していくことができると思います。
療養生活で一番大切にしたいことを、家族の思い出話や苦労話をしながら、少しずつ話題にしてみるとよいでしょう。
「できるだけ家で過ごしたい」「どこか旅行に行きたい」「昔親しかった人と会いたい」など、そんな希望も、ぜひ伝えてみましょう。在宅での生活について、不安や心配があれば、そのことも話題にしましょう。
そのためのコミュニケーションのとり方として、以下のいくつかの項目が参考になるかもしれません。ご家族のほうから話を切り出す際のヒントとしても活用してみてください。
会話を始めるときは、話の切り出し方を工夫してみましょう。たとえば、ご家族・ご本人が心配していると思われる話題を先に質問してみるというのもよいかもしれません。
相手が話していることが、たとえあなたの考えと違っていても、まずはしっかり耳を傾けましょう。
聞いたふり、わかったふりはしないで、わからないことはしっかりと聞き返しましょう。
話を受けとめたうえで、ご自分の認識や気持ちも伝えてみましょう。大切なことはあなたの考えを「知ってもらう」ことです。同意を強要しすぎないようにしましょう。
相手が何を一番伝えたいかを知るために、話している内容だけでなく、声の調子、身振り、言葉そのものについても注意を払いましょう。
相手が話しているときには、言葉の一つひとつに反応するのではなく、なるべく冷静に聞くようにしましょう。
聞いたことを復唱したり、相づちを打つのもよいでしょう。理解していることが伝わり、相手も安心します。
執筆者 | 渡邊 清高 |
公開日 | 2021年7月1日 |
文書番号 | gw0099 |
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