在宅療養の環境を整えるポイント

在宅療養の環境を整えるポイント

Q.質問
自宅での療養を開始するにあたって、安心して過ごせる環境を整えたいと思っています。具体的にどのような物品や住宅改修が必要になるでしょうか。

A.答え
まずは療養場所となる部屋を決め、生活動線に沿って必要なものを考えてみましょう。

ご自宅でも安心して過ごすために、宅内の療養環境を整えることは大切ですね。介護保険などを活用しながら、必要なものをそろえていきましょう。

介護保険は、65歳以上で要介護認定を受けた人が利用できる介護支援制度です。また65歳未満でも、40歳以上で医師ががんと診断し、医学的に回復の見込みがない状態に至ったと判断した場合には利用が可能です。

条件に当てはまる方で、要介護認定の申請がお済みでなければ、まずはお住いの自治体(市区町村)窓口または地域包括支援センターに問い合わせ、申請を行いましょう。

療養に必要な物品について、最初からすべてをそろえる必要はありません。まずはご自宅のどの部屋を主な療養場所にするかを決め、そのうえで、生活動線に沿って安心・安全に療養できる環境を整えていきましょう。

介護保険を利用すると、必要に応じて電動ベッドやマットレス、車いすなどをレンタルすることができます。ポータブルトイレや浴用いすなどの衛生福祉用具は、その性質上レンタルはできませんが、一部給付を受けて少ない負担で購入することができます。

また、浴室やトイレなどの改修(手すりの設置、段差の解消など)についても、費用の一部給付を受けることができます。たとえばベッド周りにレンタルの手すりを設置するだけでも、ご本人が楽に動けたり、ご家族の負担を減らしたりすることにつながるため、ぜひ活用してください。

療養を始めてからわかってくること、必要に思えるものがあるはずです。はじめから完璧に整える必要はありません。

担当のケアマネジャーや訪問看護師にこまめに相談し、いろいろ使ってみたり試してみたりしながら、ご本人の希望や身体の状況に合わせて、少しずつ必要なものを整えていきましょう。


執筆者渡邊 清高
公開日2021年7月1日
文書番号gw0100

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