尿意や便意のリハビリテーション
Q.質問
尿や便の溜まっているのがわからず自発的に排泄できないときのリハビリテーションは可能なのでしょうか?
A.答え
尿失禁や便失禁や、頻尿などを自律的にコントロールできることを増やすためのリハビリテーションがあります。
排尿のリハビリテーションでは、主に女性それも高齢の女性の骨盤の下の方の筋肉を訓練するリハビリテーションや、男性でも女性でも、尿意を感じてからすぐトイレに行かないと漏らしてしまう人に対する膀胱訓練がよく行われます。また膀胱のカテーテル(管)を長く入れていて尿意がわかりにくくなった人に、カテーテルを閉じて、膀胱を膨らませ尿意を感じて管を抜いていく訓練もあります。
がんの療養で筋力が落ちたり、骨盤の手術の後遺症などで、女性の骨盤の底の筋肉が弱くなり、尿の漏れが多くなったり、便をいきんで出すのができにくくなったり、気づかないうちに漏れが増える場合があります。
骨盤の底の筋肉は、トレーニングによって意識して収縮できる骨格筋なので、訓練も有効な場合があります。主治医の指導を受けプログラムを作ってもらうことができます。
膀胱訓練は、過活動性膀胱で尿意を感じてからトイレに行くまでに間に合わずに漏らしてしまう方などに、自宅ですぐトイレに行ける環境で行います。尿意を感じてもすぐトイレに行かず5分くらい我慢してから行くトレーニングを繰り返し、できれば排尿量を記録して徐々に排尿量を増やそうとする方法です。専門家と相談して薬による治療と併せて行うことが薦められます。
尿失禁、便失禁に対して、神経の障害が原因の方には、仙骨神経に電極を挿入して電気刺激を行い尿道や肛門の筋肉を収縮させる手術とリハビリテーションを合わせた治療も医療保険のもとで行われています。頻尿の原因となる過活動性膀胱も難治性の場合は保険適応とされています。専門家にご相談ください。
執筆者 | 児玉 龍彦 |
公開日 | 2022年5月25日 |
文書番号 | gw0190 |
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