本人の性格/態度/言動が変わってしまいとまどっている
Q.質問
在宅療養している夫ですが、椅子から立ち上がるなど、今まで自分一人でできていたことが徐々にできなくなってきました。それとともに、今ふさぎ込んでいたかと思えば急にイライラしたり、怒りをぶつけてきたりと、元気な頃とは性格まで変わってしまったかのようで、とまどっています。家族はどのように接したらよいでしょうか。
A.答え
できる範囲で、いつもと同じように接することを心がけましょう。
これまで自分でできていたことができなくなることによるご本人の喪失感、無力感は、周囲が想像する以上に精神的なダメージが大きいものです。日常の些細な動作にも人の手を借りなければならなくなり、自分がご家族の重荷になっていると感じているのかもしれません。
そうしたストレスや無力感が重なり、近しい人に対して苛立った言葉や態度をとってしまう方もいます。そのため、元気な頃と性格が変わってしまったと感じ、とまどうご家族も多いようです。
そのようなときに無理に元気づけようとすると、ご本人はかえって不安や孤独を感じることもあります。普段どおりに接し、見守り、声をかけて寄り添うことを心がけるのがよいと思います。ご本人がどのような精神状態であっても、それを否定することなく、温かく受け止めてくれる人が周りにいることが大切なのです。
なお、次のような様子(態度、言動など)がみられるときは、治療や何らかの処置が必要な状況である場合があるため、ためらわずに在宅支援チームに連絡してください。
強い恐れや不安、悲しみを何日にもわたって訴える
「いなくなってしまいたい」といった言葉を口にする、またそれをほのめかすような話をする
食事を拒む、不眠が続く、日常の活動に無関心になった
今までになく自らを卑下したり、罪悪感を訴えたりする
絶望感が強く、憔悴しきっている
精神的に不安定な状態が続くなかで、発汗や息苦しさを訴える、落ち着きがない など
また、ご家族の精神面のストレスケアも、ご本人のケアと同じくらい大切です。介助の負担や不安が大きく疲れてしまい、安らぎを得たいと感じるときなどにも、遠慮なく在宅支援チームに相談してください。
執筆者 | 渡邊 清高 |
公開日 | 2021年7月1日 |
文書番号 | gw0120 |
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