死に向かってる人の気持ちを理解したい
Q.質問
夫があと1か月も命がない状態で、家で過ごしています。悟っているのか不安などほとんど話もせず、目をつむって眠っています。死に向かっている人はどんな気持ちなのでしょうか。
A.答え
がんを患う方が経験する苦痛を「全人的苦痛(トータルペイン)」とよび、「魂の痛み(スピリチュアルペイン)」もこれに含まれます。
一般的にいわれていることは、多くの人は死を前にすると、様々な苦痛があるとのことです。肉体的(フィジカル)な苦痛、精神的(メンタル)な苦痛、社会的(ソーシャル)な苦痛、そして人間の尊厳など霊的(スピリチュアル)苦痛です。
スピリチュアルペインは、この4つの全人的苦痛(トータルペイン)の中の一つの要素に数えられています。
(1)過去の自分に対して
「私は何のために生まれてきたのだろう」「生きてきた意味はあったのか」など
(2)現在の自分に対して
「こんな自分がいることで家族に迷惑をかけるのではないか」「自分はもういない方がいいのではないか」
(3)これからの自分に対して
「死ぬときに苦しむのではないか」「死んだあとはどうなるのだろう」などというものです。「魂の痛み」とも訳されます。
ご主人がどんな気持ちでいらっしゃるかはわかりませんが、ちょっとした会話の時に上記のようなことを思い出してみてはいかがでしょうか。
スピリチュアルペインに対処することも大事ですが、まずは体の痛みを取ることで、スピリチュアルペインを軽減することができることも知っておいていただきたいことです。
執筆者 | 宮崎 和加子 |
公開日 | 2021年7月1日 |
文書番号 | gw0079 |
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