ゲノム検査を受けるのには手術か生検が必要?
Q.質問
がん遺伝子パネル検査をするためには、手術や生検(生体検査)でがん組織を切除(採取)する必要があるのでしょうか?
A.答え
がん遺伝子パネル検査を行うために、がんの組織や細胞の一部を検査に提出することになります。遺伝子パネル検査は、地域のがん遺伝子パネル検査を実施できる施設(がんゲノム医療中核拠点病院、がんゲノム医療拠点病院またはがんゲノム医療連携病院(「拠点病院・連携病院」と略します)の対応する診療科に相談いただくことになります。
これまで手術や検査などで、がんの組織を切除したり採取している方は、組織の標本が保存されていることが多くあります。検査にはこれを使うことができます。また、血液中にがん細胞や、診断対象となる遺伝子のかけら(断片)が検出できる場合もあり、採血で検査を実施できる場合もあります(→血液で遺伝子パネル検査ができる?)。
組織採取のために麻酔して体外から細い針のような装置を用いたり、内視鏡を用いたりすることで生検を行うことがあります。こうした検査により、体に負担の少ない方法で安全に組織を調べる病理診断・病理検査が可能ですが、出血や痛みなどが起こることがあります。
遺伝子パネル検査で数百の遺伝子変異がまとめて検査できるようになってきたため、さまざまな臓器のがんで手術や生検により組織採取を行うことが一般的になってきました。組織を採取した時期や方法、治療の経過、保管の状況、組織に含まれるがん細胞の状態、現在の病状など、さま状況を考慮した上で、どのように検査を実施するかが検討されます。
執筆者 | 児玉 龍彦 |
公開日 | 2023年1月1日 |
文書番号 | gw0232 |
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