転移と遺伝子パネル検査

転移と遺伝子パネル検査

Q.質問
手術後しばらくは落ち着いていたのですが、「転移」が見つかり、「もう治療できない」と言われました。遺伝子検査で別の治療法を見つけることは可能なのでしょうか?
A.答え
転移があると言われ、ご心配なことと思います。正常な細胞や組織は、所属する臓器が決まっておりとどまっているのですが、がん細胞は違う場所に広がったり離れた臓器に転移したりして、ざまざまな症状を引き起こします。転移がたくさん起こっている場合は、手術や放射線のような局所の治療では根治が望みにくくなります。

もし最初にがんのできた細胞や組織(原発巣)と、転移先のがんの細胞や組織(転移巣)とで同じ遺伝子の変異があれば、同じ遺伝子パネル検査で推奨された薬が効く可能性があります。

まず、がんの組織が手術や生検(生体検査)で採取されていたら、それを用いて遺伝子パネル検査を行い、治療法を探すのを試みることができる可能性があります。

がんの組織がない場合は、遺伝子パネル検査のために生検が行われることがあります。ただ、がんの種類によっては血液中にがんに由来する細胞が検出されることがあり、血液検査で遺伝子パネル検査ができる可能性もあります(→血液で遺伝子パネル検査ができる?)。

主治医と相談されるか、地域のがん相談支援センターで、相談に乗ってもらえます。そこではゲノム診療の専門の診療科についての情報を得ることもできます(→ゲノム医療の相談はどこでできますか?)。

執筆者児玉 龍彦
公開日2023年1月1日
文書番号gw0224

【関連記事】

【関連キーワード】

Powered by Helpfeel