がん治療薬のコンパニオン検査・診断
Q.質問
がん治療の薬剤を選択する際、治療前にその薬剤の効果が期待できるかどうか、副作用が出やすいかどうか等を判断するために、コンパニオン診断を行うと聞きました。これはどのような場合に公的医療保険が適用されるのでしょうか?
A.答え
がんの治療に使う薬の有効性に関わる体外診断用の医薬品などについて、35種類の薬について、診断薬(コンパニオン診断薬等)が承認されています(2022年11月時点)。主に、ALK, HER2などのがん発症に関わる遺伝子変異や免疫染色検査、腫瘍免疫に関わるPD-L1分子の変異や発現上昇を検査しています。次のサイトに医薬品の適応判定を目的として承認された体外診断用医薬品や医療機器の情報が一覧表になっています。
コンパニオン診断薬等の情報(医薬品医療機器総合機構)
多くは手術や生検(生体検査)で採取した腫瘍組織を使いますので、複数回行うと貴重な検体が全部使われてしまいます。個別にコンパニオン検査・診断として実施したり、多くの遺伝子の変化を調べることができるがん遺伝子パネル検査で、一括で検査や診断をすることもできますが、がんの種類、組織を採取した時期や方法、治療の経過、現在の病状など、さまざまな状況を考慮した上で、適した検査や診断方法が検討されます。がん遺伝子パネル検査について関心がある場合には、現在の主治医や地域のがん診療連携拠点病院に設置されているがん相談支援センター(→ゲノム医療の相談はどこでできますか?)に相談してみましょう。
執筆者 | 児玉 龍彦 |
公開日 | 2023年1月1日 |
文書番号 | gw0236 |
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