在宅療養における点滴継続の判断

在宅療養における点滴継続の判断

Q.質問
食事をほとんど摂ることができなくなってきたため、点滴を続けていますが、体のむくみがひどく、本人も「お腹が空かない」と言います。点滴は続けるべきでしょうか。

A.答え
ご本人の苦痛やつらさを和らげるように、状況を確認しながら対応していきます。

がんの病状が進むと、体が水分を処理する能力も弱まるため、点滴によって腹水や胸水、むくみの症状が出やすくなります。そのためお腹の張りや息苦しさを訴えることも多く、かえって苦痛を強める原因になってしまうこともあるため、点滴は必要ないと考えられる場合もあります。

一方で、患者さんの状態(脱水など)によっては、点滴が必要と判断される場合もあります。終末期のケアで点滴を行うべきかどうかは一概には言えませんが、輸液を差し控えることで、気道の分泌物の増加が起こりにくくなると考えられています。

実際には医療機関や医師の考え方によっても異なります。よく説明を聞き、その上でご本人やご家族の意向があれば医師に伝えてみましょう。

ご本人が水分を欲したら、吸い飲みやスプーンで少量の水を飲ませたり、小さな氷を口に含ませたりするなど、在宅支援チームとよく相談して対処していくこともあります。


執筆者渡邊 清高
公開日2021年7月1日
文書番号gw0126

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