本人は在宅療養を希望してるが家族は不安を抱えている

本人は在宅療養を希望してるが家族は不安を抱えている

Q.質問
夫は肺がんが進行した状態で予後数か月といわれています。本人は家に帰りたいようなのですが、家族(同居の妻と子どもたち)は不安でこのまま入院していてもらいたいのですが、どうすればいいでしょうか。家で最期を看取るということはできないように思っているのです。

A.答え
なるべく本人の意志を尊重する選択をお勧めします。

自宅退院した場合の漠然とした不安はあると思うのですが、残された人生が少ないご主人の意志を尊重した選択をすることをお勧めします。最期のお看取りをどこでするかは別にゆっくり考えることにして、とりあえず家に退院して家にいられるだけいるということはどうでしょうか。

自宅退院した場合の不安は具体的にはどういうものでしょうか。
症状や苦痛が激しくて家での対応ができない場合
夜間休日に病状の変化があった場合
体力がなくなり自力での生活ができなくなり家族などが介護しきれなくなる場合

上記のことについて、地域で支えるサービスや専門職がいる地域が多くなってきましたので相談してみてください。

このように考えてみてはいかがでしょうか。
病院に入院していると100%が病院任せです。24時間体制で病状の変化も看護も実施してくれます。ところが家に退院すると、100%が家族の判断・責任というふうに思ってしまいがちです。

でも、地域には在宅での療養生活を支える医師・訪問看護師・ケアマネジャー・介護職・リハビリテーション職・薬剤師がおり、連携して支える仕組みになっています。

夜間休日の病状の変化については医師・訪問看護師が訪問して対応します。生活支援が必要になれば訪問介護サービスを利用できるように支援します。つまり、何かあれば相談すれば対応することになっているので、ご家族の負担は100%の責任ではなく、そのうち一部、くらいに思っていいと思うのです。

そうすれば、もっと楽に自宅での療養生活を考えることができるのではないでしょうか。

執筆者宮崎 和加子
公開日2021年7月1日
文書番号gw0007

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