胃がんで胃切除後、下痢が増えたり、貧血になったりしている。
Q.質問
胃がんで胃を大きく切除した後、下痢が増えたり、ひどい貧血になったりしています。どうしたらよいでしょう?
A.答え
胃を大きく切除した後には下痢が増えたり、ひどい貧血になったりすることがあります。
胃が小さくなったために生じる症状、つまり、ダンピング症候群、逆流性食道炎が起こることがあります。また、胃での消化が不十分になり、鉄やカルシウムの吸収が悪くなります。
また下痢や便秘の症状を自覚することもあります。よく噛まなかったり、ほとんど消化されていない食べ物が腸に入ったりすると、腸の消化や吸収の機能が追いつかず下痢が多くなります。
さらに、胃を切除して胃酸が足りなくなると、食事に混ざった細菌が腸に入り込むことも増え、腸内の細菌の種類にも影響します。こうした変化は下痢だけでなく便秘をもたらすこともあります。
食事はゆっくりとよく噛んで食べ、1回に食べ過ぎず、バランスよく食べることが大事です。同時に、楽しんで美味しいものを慣らしながら食べ、筋力や体力を維持することが大事です。
なお、胃を大きく切ると、鉄の吸収が悪くなったり、長期にわたってビタミンB12の吸収が減ったりし、その結果、貧血がひどくなることもあります。
一般的には、胃がんの手術後5年症状がなければ、治ったと考えて良いとされていますが、その後も思いがけない症状がでることもあり(貧血、骨粗鬆症など)、担当医と相談して継続してチェックを受けることが大事です。貧血のある場合は薬が有効な場合もあります。
執筆者 | 児玉 龍彦 |
公開日 | 2021年12月21日 |
文書番号 | gw0167 |
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