胃がんで胃摘出後、食後2~3時間後に気分が悪くなる(後期ダンピング症候群)

胃がんで胃摘出後、食後2~3時間後に気分が悪くなる(後期ダンピング症候群)

Q.質問
胃を大きく切除してから食事の2〜3時間後に気分が悪くなることが続き「後期ダンピング症候群」と言われています。どうしたらいいでしょう。

A.答え
胃を大きく切除した後、食後2〜3時間してから冷や汗、脱力、下痢、めまいなどが起こる場合があります。その理由は、食事が急速に腸に流れ込み、GLP1というホルモンが分泌され、これが膵臓に作用して、インスリンという血糖を下げるホルモンの分泌を促します。このホルモンの作用で、食後やや時間がたって急速に血糖が低下し、その結果、冷や汗や、脱力感、立ちくらみが起きるのです。

こうしたときには、飴などで糖分をとるのがよいでしょう。砂糖の入ったコーラ飲料を飲むのがいいと言う方もいます。

低血糖と気付いていない場合もあるので担当医や看護師、介護士にも相談して必要な場合は検査を受けましょう。

検査の結果、低血糖とわかったら、あまり糖分や炭水化物にかたよらないようにして、1回の食事の量を制限して、ゆっくり消化をよくするようによく噛んで食べるとよいでしょう。食事の回数を増やすことも必要です。

胃の手術の後で、食事を工夫しても食後の不快感が続く場合や、症状が強い場合には、消化管の動きや食物の流れなどを考慮した上で、追加の検査や治療が必要な場合があります。

また、栄養士から食事の内容だけでなく、調理の方法や食事のとり方の工夫についてもアドバイスを得ることができます(外来栄養相談、栄養指導など)。

執筆者児玉 龍彦
公開日2021年12月21日
文書番号gw0165


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