胃がんで胃切除後、胸やけがあり、食欲が落ちている

胃がんで胃切除後、胸やけがあり、食欲が落ちている

Q.質問
胃がんで胃を切除しました。術後2年経っています。寝ていると、夜中に口の中が酸っぱくなり目が覚めてしまうことがあります。日中も胸やけがあり、食欲が落ちています。どうしたらいいでしょうか。

A.答え
胃がんで、胃の入り口(「噴門」といいます)を切除すると、食道から胃への食物の流れが変化し、胃の中に含まれる消化液や胃酸が食道に逆流しやすくなります。これによって、胸が焼けるようになったり、口の中が酸っぱくなったりすることが起こります。胃と食道と合わせて手術をするとこうした症状が強く起こる場合もあります。

こうした症状を防ぐためには、食事の内容やとり方、体の向きや姿勢を変えるなどの工夫が大切です。

1回の食事の量を減らし、よく噛んでゆっくり食べるとよいでしょう。食事を分けて回数を増やして食べる、お酒の量を控えめにする、コーヒーを飲みすぎないようにすることが有効な場合もあります。

食べてすぐに横にならないことも重要です。夜の遅い時間(就寝2時間前くらい)からは食事をとらない方がよいでしょう。また、横になるときには、少し上半身を起こすようにして大きめの枕が肩の裏まで入るようにすると逆流による症状が和らぐ場合があります。

症状が改善しない場合には、我慢せず担当医に伝えましょう。食道炎の程度や広がり、症状などに応じて処方がなされることがあります。制酸剤が多く用いられますが、胃酸や消化液(胆汁や膵液など)によって、症状の起こり方が異なるため、原因に応じた治療がなされます。

また、栄養士から食事の内容だけでなく、調理の方法や食事のとり方の工夫についてもアドバイスを得ることができます(外来栄養相談、栄養指導など)。

消化液や胃酸の逆流による症状が強いときや、逆流したものが気管支に入って(誤嚥[ごえん]して)むせたり咳き込んだりすることがあります。痰や咳が続き誤嚥が疑われる場合には担当医や看護師、介護士に速やかに相談してみましょう。

執筆者児玉 龍彦
公開日2021年12月21日
文書番号gw0166


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