胃がんで胃切除後、食後すぐ気分が悪くなる(早期ダンピング症候群)

胃がんで胃切除後、食後すぐ気分が悪くなる(早期ダンピング症候群)

Q.質問
胃を切除した後、食後すぐ気分が悪くなります。「早期ダンピング症候群」と言われましたがどんな対応をとったらいいでしょうか。

A.答え
胃がんで胃の全部または一部を切除すると、食物を消化したり一時的に貯めておいたりする本来の胃の機能が失われます。

通常、胃の内容物は数時間かけてゆっくり消化されてから腸の方へ出ていきます。

しかし、胃の切除によって、食べた物が一度に腸に流れることで、食後に吐き気や めまい、動悸などの症状が起こることがあります。こうした胃の切除後に起こる不快な症状は「ダンピング症候群」と呼ばれます。

対処法として、食事のとり方を工夫するとよいでしょう。例えば、食事をゆっくりとる、脂肪や炭水化物の少ない食事をとるなどです。

ダンピング症候群には、食後早い時期(すぐから30分程度)で起こる場合と、食後しばらくたってから(2~3時間程度)で起こる場合があります。

食後30分くらいまでに起こる場合は、早期ダンピング症候群と言われます。食べ物が腸に運ばれることで、体の中の水分が腸の中に移ったり、腸の動き(ぜん動)が活発になったりすることをきっかけに、一時的に体の中を循環する血液が足りなくなったり、全身の血管が広がったりします。このために、食事中から食後すぐ、腹鳴、腹部膨満感、腹痛、めまいなどが生じます。この場合は、横になってしばらく休むことが大切です。

食事の量を減らし体の調子に合わせ、体を慣れさせていくことが大事です。

執筆者児玉 龍彦
公開日2021年12月21日
文書番号gw0164


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