誤嚥とは?
Q.質問
食べたものがうまく飲み込めず、むせたり、息が苦しくなったりすることがあります。お医者さんに誤嚥(ごえん)といわれました。誤嚥とはどういうことをいうのですか?
A.答え
食べたものが、誤って空気の通り道である気道に入ってしまうことを誤嚥と言います。
のどの奥で、食道に行く通り道と、呼吸して空気が通る道(気道)とに分かれます。食べものが、かたまりとして口からのどに押し込まれてくると、喉の奥の喉頭蓋(こうとうがい)という蓋が閉じ、気道に入り込まないようにします。同時に、咽頭が収縮し、普段は閉じている咽頭と食道の境界部分が開きます。これらの一連の動き(嚥下反射と言います)により、食べたものが気道に入らず、食道に流れていきます。
体力が落ちて筋肉がうまく働かなくなったり、がん治療の影響で神経が傷ついてうまく反射が起こらなくなったりすると、気道に食べものが誤って入ってしまいます。このようにして誤嚥が起こります。
食道、気道、頸のがんにより首やのどの周囲を手術で切除したり、歳を取って体力が落ちたり、脳血管障害などで嚥下反射がうまく起こらなくなったりすると、誤嚥を起こしやすくなります。
嚥下困難な方では、食べものだけでなく、唾液、鼻水も気道に入り込んでしまいます。こうしたことが気づかないうちに進み、肺炎(誤嚥性肺炎)を引き起こすことがあります。
執筆者 | 児玉 龍彦 |
公開日 | 2022年2月15日 |
文書番号 | gw0169 |
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