噛む力が弱くなっているときの食事で注意すべきこと
Q.質問
病院でがんの手術を受けました。噛む力が弱くなっているので、家に帰ったら、食べものは柔らかいものから次第に硬いものに、と言われて退院してきました。どんな食べものがいいのでしょうか。
A.答え
噛む力が弱くなっている方向けに、「嚥下調整食(嚥下困難食)」という食形態があります。これは、嚥下(ものを飲み込む動き)の機能について、治療や後遺症の影響がある場合に、柔らかいものから硬いものへと順番に食事をしていただく考え方で、以下の4段階に分類されています。
(参考:日本摂食嚥下リハビリテーション学会分類2021年)
まず、1番食べやすいのは、ゼリー食です。ジュースやスープをゼリー状にしたようなもので、市販のゼリー状栄養補助食品があります。ただゼリーはあまり硬くすると、噛まずに飲み込んでしまい、かえって窒息の原因になることが知られています。硬さには十分注意してください。
2番目に食べやすいのは、ミキサー食や、ピューレや、ペーストのように、細かく砕かれていてスプーンですくって食べられるものです。口の中でまとめて、舌を使ってのどに送り込むことができます。
3番目は、食べものの形はありますが、歯がなくても歯茎や舌で押しつぶせるような、柔らかい食事で、お肉であれば柔らかいハンバーグなどのイメージです。
4番目は、煮込み料理や、卵料理のような柔らかいもの、細かく切った食材を茹でたりして、さらにあんかけにしたようなものです。
固体と液体が混ざっている食べものも誤嚥しやすいです。また、お粥のように柔らかでも、口の中でかたまりにしないでバラバラの状態で飲み込んでしまうと、一部がのどに残り誤嚥につながることがあります。
執筆者 | 児玉 龍彦 |
公開日 | 2022年2月15日 |
文書番号 | gw0173 |
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