陰部の洗浄
Q.質問
療養中の家族の陰部の洗浄はどうしたらいいでしょうか?
A.答え
デリケートな部位で、ご本人が最も羞恥心を感じる部分です。なるべくご本人が自分で洗浄できるようにお手伝いするとよいでしょう。
人の陰部は性器や排泄口があり、分泌物や排泄物が出てきます。感覚も敏感で、プライベートな部分です。尿がついて細菌が感染するとアンモニアができてアルカリ性になり、皮膚が荒れて臭気が出ます。尿路感染の原因にもなります。便が付着すると細菌が増えやすく臭います。
陰部の洗浄では、排泄物をしっかり洗い落とすと共に、石鹸または洗剤でていねいに洗うことが大切です。石鹸は1日1回程度でいい場合が多いです。洗い過ぎは皮膚のバリアの機能を損なう場合もあり、慎重さもいります。
男性の場合は、陰茎と陰嚢をしっかり洗い水分をふきとります。女性の場合は石鹸の使用は小陰唇の外側までとします。よく泡立てて優しく、そして石鹸が残留しないように微温湯(30−40度)でよく洗い拭き取ります。
がんの療養では免疫力が低下し、感染症などにかかりやすくなります。一人で洗浄できなくなったら、家族で行うか、訪問看護や介護、デイサービスなどが受けられます。主治医、訪問看護ステーション、ケアマネージャーなど専門家とも相談して、看護、介護の人の助けも含めて、計画を立てましょう。
執筆者 | 児玉 龍彦 |
公開日 | 2022年8月18日 |
文書番号 | gw0209 |
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