がんリスクの遺伝子情報:病的バリアント保持者についての解説
Q.質問
ゲノムの検査で「がんになりやすい病的バリアントの保持者」と言われました。どういう意味ですか?
A.答え
「がんになりやすい病的バリアントの保持者」とは、生まれつき特定の遺伝子バリアントを持っており、がんが発生しやすいリスクが高いことを意味します。がんは正常細胞が増殖を止めずに成長し、他の臓器に転移することが特徴です。病的バリアントが存在すると、正常細胞ががん細胞に変わりやすくなります。
「保持者」とは、生まれながらにして、特定のバリアントを持っていることを指します。この場合、体の全ての細胞にそのバリアントが存在しています。この結果、さまざまな臓器でがんが発生しやすくなるリスクが高まります。
特定のバリアントの保持者が70歳までにがんになる確率が統計的に高いと、そのバリアントは「がんになりやすい病的バリアント」と判断されます。
最近では、がんの診断や治療のためにがん遺伝子パネル検査を受けることで、病的バリアントの保持者であることが分かるケースが増えています。このような状況では、専門家に相談し、具体的な対策を検討することがおすすめです。ゲノム医療の外来や遺伝カウンセリングの専門家と話し合うことで、適切な対応策を見つけることができます。
執筆者 | 児玉 龍彦 |
公開日 | 2023年4月11日 |
文書番号 | gw0239 |
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