リンチ症候群と大腸がん:診断後の対処法とサポート

リンチ症候群と大腸がん:診断後の対処法とサポート

Q.質問
私は大腸がんで手術を受けました。その後、「生まれつき大腸がんになりやすいリンチ症候群の可能性が高い」と言われました。退院後、どうすればいいでしょうか?(50代男性)
A.答え
大腸がんの手術を受けた後、「生まれつきがんになりやすい遺伝的な体質」と言われたことで、心配だと思います。リンチ症候群は、大腸がん患者の1-3%が関係しているとされています。

専門の外来で遺伝子検査を受けることで、リンチ症候群の「病的バリアント」保持者かどうかが分かります。リンチ症候群の場合、大腸がんや胃がん、女性の場合は子宮内膜がんや卵巣がんのリスクが高まります。家族歴も重要な情報です。

「がんになりやすい」という事実を受け入れるのは難しいですが、時間が経つにつれ考え方も変わります。リンチ症候群では、がんの発生を防ぐために大腸の切除はお勧めされません。定期的な検査が大事ですが、現在は医療保険での補助はありません。

便潜血検査だけでなく、大腸の内視鏡検査も定期的に受けることが望ましいですが、費用の問題があります。

家族や同じ状況の人と話し合い、気持ちや情報を共有することも大切です。ゲノム医療は急速に進歩しており、リンチ症候群の原因となる遺伝子に効果的な薬も開発されています。手術の技術も進化しています。

今後のがん検査の計画を立て、医学の進歩にも目を向けることが大切です。地域の「がん相談支援センター」に相談するなど、信頼できる情報を得ることが重要です。

執筆者児玉 龍彦
公開日2023年4月11日
文書番号gw0243

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