家族がウロストーマ(人工膀胱)をつけて退院した場合の留意点
Q.質問
家族が膀胱がんの手術を終えウロストーマ(人工膀胱)をつけて家に戻ってくるのですが、どのような注意が必要でしょうか。
A.答え
ウロストーマには、腸管を使って皮膚に赤い牡丹の花のような出口のある場合と、尿管を使って小さく高さの低い出口の場合があります。いずれも尿を自分でコントロールできないので24時間、寝ている間も、外出の時も、お風呂などの間も、装具をつけ、排泄物を袋で受け止める必要があります。お手洗いで袋から捨てることになります。定期的に袋だけでなく、皮膚につける装具を清潔に交換します。
ウロストーマがつながっている腎臓からは、こしとった尿が流れ出ることで、普段は無菌的な状態です。ストーマや排泄物を溜める袋を清潔に保ち、ストーマから逆流を避けるようにします。適切なタイミングで袋に溜まった尿を処理します。溜めすぎると漏れなどが増えるので注意が必要です。就寝時は逆流などないように高さにも注意し、袋に貯めます。外出の時もトイレに行けるかどうかにより、時間に見合った袋を選びましょう。
ストーマ周辺の皮膚に、尿を受け止める装具を装着します。漏れがないようにすることと、皮膚を痛めないようにすることが必要です。次の項目が参考になります。
装具を貼ると痒い場合 → 「ストーマの装具を貼った皮膚がかゆい場合の対応方法」
ストーマ装具の貼った部分がはがれやすい → 「ストーマの装具からの漏れがある場合の対応方法」
ストーマの方が浴槽に入る場合 → 「ストーマをつけての入浴」
ずっとストーマ装具を買うとどれくらいお金がかかるでしょうか → 「ストーマに関する費用、保管方法、使用期限」
災害時にストーマ関連で必須なもの → 「ストーマを付けている場合の非常持ち出し袋」
手術の術式によりますが、回腸を使ったストーマでは、尿がアルカリ性になりやすく皮膚に刺激が強くなりやすいです。尿管を使ったストーマではカテーテルが留置されることもあります。主治医やストーマ専門の看護師とよく相談して、ストーマの仕組みを理解することが必要です。
執筆者 | 児玉 龍彦 |
公開日 | 2022年5月26日 |
文書番号 | gw0199 |
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