緩和ケアを受けながらゲノム医療はできますか?
Q.質問
現在、緩和ケアを受けています。緩和ケアを受けながら、がん遺伝子パネル検査を受けることはできますか?
A.答え
がんになると、体や心のことだけではなく、治療のことや仕事のこと、将来への不安などのつらさも経験するといわれています。緩和ケアは、以前はがんが進行して効果的な治療ができない方に対するケアというイメージが強かったのですが、最近では、がんに伴う心と体のつらさを和らげる医療やケアと捉え、がんと診断された時から取り組み、治療と並行して行うことが強調され、一般的になってきています。緩和ケアには、大きく分けて通院、入院、自宅で受ける緩和ケアの3つのあり方があります。
がんのゲノム医療は、がん遺伝子パネル検査をもとにがんゲノム医療の「拠点病院」(→ゲノム医療の拠点病院・連携病院とは?)の多数の専門家で構成されるエキスパートパネル(→がんゲノム医療のエキスパートパネルとは?)での検討をもとに、活用できる治療の候補が検討されます。がん遺伝子パネル検査は、検査の準備・事前説明とそれに基づく同意・結果説明も、がんゲノム医療の「拠点病院・連携病院」で行われますので、遺伝子パネル検査を希望する場合には、今の主治医に連絡をとってもらい連携して療養にあたる必要があります。
こうしたことへの対応のため、全国のがん診療連携拠点病院には「がん相談支援センター」があり、緩和ケアに加えて、がんゲノム医療についての相談に対応しています(→ゲノム医療の相談はどこでできますか?)。
また緩和ケアは、医師だけでなく、看護師、薬剤師、臨床心理士、理学療法士、ソーシャルワーカー、介護福祉士など多数の医療・介護関係者が関わります。
それらを支えるため、病院の緩和ケアスタッフ、医療連携室、がん相談支援センターの相談員と、訪問診療機関の医師、訪問看護ステーション、介護のケアマネジャーなどが連携することが重視されています。家族、知人の方も正確な情報を提供してもらうことが大事です。
執筆者 | 児玉 龍彦 |
公開日 | 2023年1月1日 |
文書番号 | gw0227 |
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