がん遺伝子パネル検査:数百種類の病的バリアントをまとめて調べる
Q.質問
がんになりやすい病的バリアントや、特定の薬が効きやすいバリアントが数百種類あると聞きましたが、これらを一度に検査することはできるのでしょうか?
A.答え
はい、がん遺伝子パネル検査では、数百種類のバリアントを一度に調べることができます。ただし、厚生労働省の指針では、この検査は主に標準治療が終わったがん患者さんを対象に、新たな治療法の発見に役立つ場合に限り、公的医療保険で受けられます。
がん遺伝子パネル検査の結果には、後天的に生じた病的バリアントだけでなく、生まれつき持っている病的バリアントも含まれます。そのため、「がんになりやすい病的バリアントの保持者」と診断される人が増えています。ただし、がんと診断されていない方で、血縁の家族に病的バリアントの保持者がいる場合でも、公的医療保険は適用されず、自費で検査することが多いです。
病的バリアントのタイプによっては、治療後の再発や別の部位にがんができることもあります。このため、定期的ながん検診が重要です。ゲノム医療の専門外来や遺伝カウンセリングの専門家に相談し、病的バリアントが見つかった場合にも対応できる医療機関で検査を受けることがおすすめです。
執筆者 | 児玉 龍彦 |
公開日 | 2023年4月11日 |
文書番号 | gw0241 |
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