ストーマケアとは何のことですか?
Q.質問
退院にあたり、人工肛門・人工膀胱の手術を受けた方は、ストーマ外来でケアの指導をすると聞きました。ストーマ外来とはどのようなものですか?
A.答え
ストーマ外来とは、人工肛門・人工膀胱を造設した人(オストメイト)がより快適な日常生活を送ることができるようにストーマケアを行い、ストーマに関しての専門的な相談に応じる外来のことです。
手術で大腸・直腸を切除して排便が難しくなったり、膀胱を切除して排尿が難しくなったりする場合に、新しい便や尿の出口をお腹に作る手術を行います。こうした新しい排泄の出口を「ストーマ」といい、扱い方をサポートすることの必要性から、ストーマの看護・ケアが重視されるようになりました。
ストーマ外来では専門の資格を持った看護師が、装具の使い方を助け、臭いや音の問題を注意し、皮膚がただれないようにし、また通常は人目につかない肛門や尿道口が見えやすい腹部にあるというデリケートな辛い思いをサポートし、ケアを指導します。
患者さんにも難しいイメージがあった「人工肛門」「人工膀胱」の名前から、より積極的に、温かいケアを目指す「消化器ストーマ」「ウロストーマ」の名前の外来も増えてきました。
消化器ストーマ(人工肛門)といわれる手術では腸管を皮膚に繋いで、新しい排泄口を作りますが、排便を調節する機能がないため、便を受け止めるストーマ装具を皮膚につけます。ひとり一人の体調や手術の仕方によって水分の多い少ないもあり、臭いや音の問題もあります。ウロストーマ(人工膀胱)をつくる手術では、腸管の一部を用いて皮膚に繋いで、尿を出す出口を作る方法が多いです。やはり尿の出をコントロールできないので、尿を溜める袋をつけます。いずれの場合も夜寝るときや外出するときにもそれぞれ別の対応が必要です。感染を防ぐ清潔操作や、皮膚のただれを防ぐことも大事です。
ストーマは一時的に作り、もとの排泄の状態に戻すこともありますが、終生使っていくことが多いです。最初の手術時と比較して年を追うごとに体力や皮膚の状態も変わってきます。ストーマをつくることが、それからの人生で負担となることもありますが、ストーマケアを普段の生活に取り入れ、生活のリズムを維持しながら過ごしていくこともできます。定期的なチェックでの対応が必須です。同時に、専門の看護師に相談しつつ、医師や介護職の方、家族や知人、訪問看護、さらに介護施設や一般の病院にとっても、ストーマケアを理解し、支援することが大事になってきています。
執筆者 | 児玉 龍彦 |
公開日 | 2022年5月26日 |
文書番号 | gw0193 |
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