家族がストーマ(人工肛門)をつけて退院した場合の留意点

家族がストーマ(人工肛門)をつけて退院した場合の留意点

Q.質問
家族が大腸がんの手術を終えストーマ(人工肛門)をつけて家に戻ってくるのですがどんな注意が必要でしょうか。

A.答え
大腸、直腸、肛門のがんを切除し、腸管を腹部の皮膚につないでストーマ(人工肛門)を作ると、排便を制御できないので、一日中排泄物が出てくることになります。どこの腸を使ってストーマを作ったかによっても、また体調でも、排泄物に水分が多いか、固形物が多いか、ひとり一人、日によっても変わるので注意が必要です。固形の近い場合は、便を袋の排出口から絞り出すようにして捨てることが必要になります。便器にこびり付かないように、トイレットペーパーを敷くなどの方法もあります。

多くの方は終生、ストーマを使うことになります。手術の直後は、ストーマの装具とバッグの交換に慣れ、傷口をいかに早く治すかが大事ですが、家に戻る時の準備が大事です。ストーマの管理は専門の知識を持った看護師が病院のストーマ外来で対応します。

自宅では、ひとりでストーマが扱えるセルフケアも大事です。最初はストーマを見ることも大変で、装具の交換も負担に感じる方も多いです。またストーマの生活は長く続くので、本人の体調や様子により、周りの方からの丁寧な介護、看護が大事です。

厚生労働省は、ストーマの装具の交換は「医療行為」には当たらないとしており、医師や看護師でない介護職の人でも、医療機関と相談できる体制のもとで交換に携われます。調査によると すでに介護職の5割以上の方が、交換した経験を持っています。本人と介護職を含め介護にあたるの方へ、ストーマの管理についての教育と研修の充実も図られています。

また装具を皮膚に貼るためかゆみや肌荒れが起こることが多いです。その他ケアについては次を参照してください。

装具を貼るとかゆい場合 → 「ストーマの装具を貼った皮膚がかゆい場合の対応方法
ストーマ装具の貼った部分がはがれやすい → 「ストーマの装具からの漏れがある場合の対応方法
ストーマの方が浴槽に入る場合 → 「ストーマをつけての入浴
ずっとストーマ装具を買うとどれくらいお金がかかるでしょうか → 「ストーマに関する費用、保管方法、使用期限
災害時にストーマ関連で必須なもの → 「ストーマを付けている場合の非常持ち出し袋

執筆者児玉 龍彦
公開日2022年5月26日
文書番号gw0200

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