病的バリアントとは?:遺伝子検査で見つかる病気のリスク
Q.質問
遺伝子検査で「病的バリアント」と言われましたが、それは何ですか?
A.答え
「病的バリアント」とは、遺伝子のバリアントの中で、病気の発症リスクが高くなるとされているものを指します。遺伝子のバリアントは、遺伝子の配列が標準的なものと異なるバリエーションです。
現在、2000種類以上の遺伝性疾患が知られており、それらの原因となる遺伝子の変異(配列の違い)もたくさん特定されています。また、ヒトのゲノムが解読されることで、新たな病的バリアントも次々に発見されていますが、この研究は時間がかかります。
遺伝子に関して複雑な点は、私たちは両親から2組の遺伝子を受け継いでいることです。一方の親から受け継いだ遺伝子だけで病気になるわけではなく、両親から受け継いだバリアントが組み合わさって病気になりやすくなることがあります。また、一人一人が異なるバリアントの組み合わせを持っているため、病気の発症リスクも変わってきます。そのため、バリアントを一概に「遺伝子異常」と呼ぶのは適切ではありません。
さらに、現在でも多くのバリアントが病気との関係が未解明であり、それらは「意味がわかっていないバリアント(Variant of Unknown Significance:VUS)」と呼ばれています。
執筆者 | 児玉 龍彦 |
公開日 | 2023年4月11日 |
文書番号 | gw0238 |
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