食事のときに起きた窒息についての責任の考え方
Q.質問
知人の食事の世話をすることになりましたが、誤嚥や窒息を起こしてしまったら責任を問われるのではないかと心配です。食べるのが楽しみなので手伝ってあげたいのですが。
A.答え
がんの病状や治療による影響によって、顎(あご)の力が弱っていたり、嚥下の機能が損なわれている場合には、溜め込むような食べ方をしたり、食事を飲み込んでとりいれることがあり、むせや誤嚥(ごえん)を引き起こす可能性があります。こうした場合に、食事をどのように準備すればよいのか、食事を手伝うことで誤嚥や肺炎を起こしたら自分のせいになるのではないかと心配になるのも無理はありません。楽しいはずの食事が、不安やつらいものになってしまうことがあるかもしれません。
こうしたときには、まずご本人の希望をしっかり確認しておくことが大切です。食べられることの楽しさや喜び、栄養のとり方についての希望や考え方など、話し合っておくとよいでしょう。がんの病状や症状、治療の状況や嚥下の状態、口腔内や歯の衛生など、さまざまな要素によって食事のとり方についての方針は異なります。担当医や看護師、薬剤師、栄養士などと相談することもできます。食事を口からとる以外にも、胃ろうや点滴などを活用して栄養をとることもできます。どのような方法があるのか、例えば口から食事をとる場合にできる食事の工夫や誤嚥が起こったときの対応について知っておくと、ご本人も支援する方も安心です。
療養されている方が食事をとる場合にどのような心配ごとがあるかをよく知っておき、姿勢や調理、食事の介助のときの注意点をよく聞いておくことは大事でしょう。
「食事が飲み込みにくい(嚥下困難)」「誤嚥とは?」の誤嚥、「誤嚥性肺炎とは?」の誤嚥性肺炎、「噛む力が弱くなっているときの食事で注意すべきこと」の誤嚥の予防や食事の工夫、「誤嚥(ごえん)による窒息への対応」の窒息の時の対応も参照してみましょう。
執筆者 | 児玉 龍彦 |
公開日 | 2022年2月15日 |
文書番号 | gw0175 |
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#誤嚥 #病院や介護施設での誤嚥(ごえん)に注意する義務
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