たんがからむがん患者の自宅でまずできる対応策

たんがからむがん患者の自宅でまずできる対応策

Q.質問
がんの療養中の父がたんがからんで苦しそうなのですが、自宅でどのようにケアしたら良いでしょうか。
A.答え
たんがからむと空気が気道を通りにくくなったり、肺の中に空気が入らない部分(無気肺)が増えやすく、何より咳が頻回になり、疲労や不眠の原因にもなります。息がしにくく、見ていても苦しそうで、周りの方もご心配かと思います。

たんを減らしたり出しやすくしたりするには、吸う空気の温度や湿度が適切であること、またホコリや細菌が少なく清潔であることが大事です。成人では気道で1日60-100mL の分泌物が作られ、老廃物やゴミを運び出しています。分泌物の多くは肺の細胞で吸収され、喉に出てくるのは10mL 程度で、さらにたんになって出てくるのはわずかです。しかし気道や肺に炎症などが起き、分泌物が増えたり刺激が増えたりすると、たんが溜まります。こうした場合、たんを出やすくする次のようなケアが重要になります。

1. たんの増えている場所を知る
ご本人や家族の方のケアでは、体位によって排出を促すことができるかもしれません。息苦しさや呼吸数、酸素飽和度の状態を知ることも大事です。主治医や看護・介護の方と、たんがどこから増えているか、どういう体位をとれば出やすいか相談してみてください。

2. 体位で流れやすくする
肺の中で分泌物が増えていると思われるところの位置を高くして、たんを流れやすく、出やすくすることができます。寝ている時間が長い方は、体位を変えることで肺に空気を入りやすくできるかもしれません。主治医や看護の方にもよく相談して、一つの姿勢を長く取り過ぎないようにします。体力が落ちたり循環器系に問題ある方は体位変換ができない場合もあるので、主治医とよく相談してください。パルスオキシメーターで酸素飽和度を見て、数値が下がり過ぎないように行うことが求められる場合もあります。

3. 深呼吸
深呼吸で肺を広げると、たんが出やすくなることがあります。十分に息を吐き出した後、大きく吸うと有効なことがあります。

4. タッピング
主治医や看護の方と相談し、手のひらで背中を軽くたたくなどして、たんを出す手伝いをするのが有効な場合もあります。

5. ハフィング
咳をしたり、口をハの形にして「ハッハッハ」と息を吐き、たんの喀出(かくしゅつ)を促す「ハフィング」という方法を用いる場合もあります。ただし咳やハフィングは、非常にご本人の体力を使います。やり過ぎるとかえって消耗して苦しくなりますので、主治医や看護の方によく相談してください。

たんを切れやすくする薬や、吸入の薬、また感染・炎症の薬などもあるので、主治医にもよく相談してください。脱水症状がありますとたんが粘稠になり、切れにくくなります。また点滴などをしている場合は、水分が過剰になるとたんが増える場合もあります。主治医や看護の方と相談してください。

執筆者児玉 龍彦
公開日2023年11月13日
文書番号gw0299

【関連記事】

【関連キーワード】 
#咳とたん #深呼吸 #タッピング #ハフィング #喀出

Powered by Helpfeel