オピオイド投与の「ベース」と「レスキュー」:がんの痛み対策と適切な使い方

オピオイド投与の「ベース」と「レスキュー」:がんの痛み対策と適切な使い方

Q.質問
オピオイドを使用する際、「ベース」と「レスキュー」の使い方があると聞きました。どのような使用法でしょうか。
A.答え
がんの痛みに対してオピオイド系鎮痛薬(医療用麻薬、以下オピオイド)を飲み薬で使うとき、一般的には「ベース」としてゆっくり効く(徐放剤といいます)薬を処方して、痛みが抑えられるかみます。そのなかで、「ベース」の薬で抑えられない痛みが発生した時には、「レスキュー」として、早く効く薬を使う方法がよく用いられます。
がんの痛みには、「持続痛」と「突出痛」とがあります。薬を飲める方の場合には、ベースで持続痛を抑え、突出痛にはレスキューで対応するという考え方です。オピオイドには副作用があるので、鎮痛効果とのバランスを考え、主治医がベースの量とレスキューの量や使い方を決めます。

投与法には貼り薬もありますが、この場合には吸収に時間がかかり、調整がやや難しい場合もあります。また坐薬や持続注射というやり方もあります。持続注射は小型のシリンジポンプという器具を使い、主に皮下にオピオイドを注射します。在宅療養では、医師の指導のもとに本人や家族が注射針を刺したり抜いたりする場合もあります。また取り扱いが容易な、オピオイドがすでにシリンジに入っている製剤もあります。

投与法が違っても、痛みが起こらないようにするベースとしての使い方と、突発の痛みに迅速に対応するレスキューのやり方が可能であるか、主治医とよく相談してください。
レスキューの量は、主治医に本人の訴えをよく聞いてもらい、また家族や看護・介護の方から見た様子をふまえて、こまめに調整してもらいます。

執筆者児玉 龍彦
公開日2024年2月13日
文書番号gw0316

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