オピオイド系鎮痛薬とは?がんの痛みの抑え方から副作用の対応まで

オピオイド系鎮痛薬とは?がんの痛みの抑え方から副作用の対応まで

Q.質問
がんの痛みはオピオイド系鎮痛薬で抑えられると聞きました。オピオイドとはなんですか?
A.答え
痛みを抑える医療用麻薬を、オピオイド系鎮痛薬(以下「オピオイド」と略す)と呼びます。モルヒネなどが含まれます。がんが進行するにしたがって、さまざまな原因で痛みが起こってきますが、オピオイドは脳や神経に直接働いて、痛みを感じにくくするので、原因によらず痛みを抑えられます。(下記関連項目参照)。


これまでは、がんの進行で痛みが増すといわれていることに不安を覚える方が多かったのですが、この薬により痛みを克服し、家でのがん療養の生活の質を向上させることができるようになりました。主治医の指導のもとで、下記の痛み止めの目標のためにオピオイドが使用されています。
第一の目標は、夜休めるようにすること
第二の目標は、安静にしているときに休めること
第三の目標は、動いても痛みを感じないようにすること

オピオイドには種類と使い方があり、医師の指導で使えば中毒になりません。多くの場合は、痛みの予防(ベース)と、抑えきれず強い痛みが出たときに使うやり方(レスキュー)を使い分けることにより、量をコントロールします。中毒になる心配をしすぎなくても良いでしょう。また、オピオイドの種類や、飲み薬以外の貼り薬、口の中で溶ける製剤、持続点滴など、さまざまな投与法の製剤が増えており、それぞれ副作用の特徴が違います。さらに、吐き気・便秘・せん妄といった副作用に対する予防薬や治療薬の開発も進んできました。副作用を抑えてオピオイドで痛みをコントロールする方法が進歩しています。

そのほかに、次のような医療用麻薬としてのオピオイドについての疑問に答えます。

オピオイドで痛みを抑えても寿命が短くなることはありません。 → オピオイド系鎮痛薬を使用しても寿命は短くならない
オピオイドの使い方には4つの原則があります。 → がんの痛み止めとしてのオピオイド使用の基本原則
痛みが起こらないように使う「ベース」と、それでも突発的にくる痛みに「レスキュー」という使い方をします。 → オピオイド投与の「ベース」と「レスキュー」:がんの痛み対策と適切な使い方
周りから見るとあまり痛そうに見えないのですが、本人が痛がるときはどうするか。 → がん患者の痛みの訴え:痛そうに見えない時にどう対応するか
痛みにオピオイドが効きにくくなった時にどうするか。 → オピオイド系鎮痛薬が効かなくなったときの投与方法の変更
オピオイドの貼り薬の使い方は? → がん患者の痛み緩和:オピオイド貼り薬の適切な使用法
オピオイドで傾眠傾向の副作用の出る時。 → オピオイド系鎮痛薬の副作用:眠気と呼吸抑制の対策
オピオイドで悪心・嘔吐の副作用の出る時。 → オピオイド系鎮痛薬使用時の悪心・嘔吐への対応策
オピオイドで便秘の副作用の出る時。 → オピオイド系鎮痛薬服用時の便秘の改善方法とは?
オピオイド使用中にせん妄が出た時。 → オピオイド系鎮痛薬使用中のせん妄への対応は?
痛みへの対応に、家族が注意することは? → がん患者の痛み管理:家族のサポートと緩和ケア
家の中でのオピオイド系鎮痛薬の管理はどうする? → 家でのオピオイド系鎮痛薬の使用に伴う安全対策
オピオイドを使う場合には訪問看護ステーションに相談するとよい → がんの在宅療養におけるオピオイド系鎮痛薬の適切な使用と訪問看護ステーションのサポート
オピオイド系鎮痛薬は、使い始めと増量の時に注意が必要 → オピオイド系鎮痛薬は使い始めと増量時に注意が必要

執筆者児玉 龍彦
公開日2024年2月13日
文書番号gw0313

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