オピオイド系鎮痛薬服用時の便秘の改善方法とは?
Q.質問
オピオイドでがんの痛みを抑えていますが便秘になります。どうしたらよいでしょう。
A.答え
オピオイド系鎮痛薬(医療用麻薬、以下オピオイド)を使うと腸管の動きを抑え、便秘になります。便秘の治療薬には浸透圧性と言われる薬と、腸の動きを促す薬があり、オピオイドの便秘には、両者を併用する場合もあります。最近はPEG製剤など下剤の種類も増えてきて、便秘の症状を改善できる可能性が高まっています。しかし便秘の改善の後下痢になる場合もあるので、主治医とよく相談し、本人、家族や介護・看護の方がきめ細かく注意し、ちょうどよい便の状態になるように使う量を調節することが大事です。
また、腸の中でオピオイドにくっつくことで腸での副作用を抑えるという、オピオイドが原因の便秘にだけ有効な薬もあります。便秘の専門医に相談してみることも役に立つでしょう。
それでもどうしてもオピオイドによる便秘がよくならない場合は、製剤の種類や量を変える、痛みの神経ブロックを併用してオピオイドの量を減らす、などの対応も相談してください。
場合によっては腹部のマッサージ、また背骨の変形による腰痛などにより腸管の動きに影響が出ている場合は背中のマッサージが有効な場合もあります。お腹を温めることが有用な場合もあります。
主治医とよく相談してください。
執筆者 | 児玉 龍彦 |
公開日 | 2024年2月13日 |
文書番号 | gw0323 |
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