オピオイド系鎮痛薬使用中のせん妄への対応は?

オピオイド系鎮痛薬使用中のせん妄への対応は?

Q.質問
オピオイド系鎮痛薬使用中にせん妄になったとき、どう対応したらよいでしょうか?
A.答え
痛み止めにオピオイド系鎮痛薬(医療用麻薬、以下オピオイド)を使い始めた後に、せん妄になることがあります。せん妄とは意識の混乱した状態を指し、ぼーっとしていたり、辻褄の合わないことを言ったり、昼夜のリズムが乱れたり、現実にはないものが見えたり、時間・場所がわからなくなることなどが起こります。夜間に悪化し、昼間によくなることもあります。

せん妄の治療には、抗ドパミン薬や向精神薬を主治医と相談して選んで用います。落ち着きがなくなり、興奮して理解しにくい行動が始まった時の対応が大事になります。
がんの進行している場合や、衰弱・高齢・認知症の場合には、オピオイド系鎮痛薬以外が原因の可能性(高カルシウム、低ナトリウム、貧血、感染症、脳転移など)に注意し、これらの原因に対しての治療をします。
オピオイドの製剤、投与法、量の変更が必要になる場合もあります。しかしそれでも痛み止めにオピオイドの継続が必要な場合も多いです。コミュニケーションへの支援、家族の負担へのケアも必要です。精神科的なケアも含めた緩和ケアの専門家を含めたチームでの対応が必要になります。

執筆者児玉 龍彦
公開日2024年2月13日
文書番号gw0324

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