がん患者の喘息:ステロイド吸入剤の効果
Q.質問
喘息で咳が繰り返し息苦しいので、ステロイドの吸入剤を処方されました。どんな治療なのですか?
A.答え
がんの療養中に喘息と言われ、ご心配なことと思います。喘息は、息をする時に気道が狭くなりヒューヒュー、ゼイゼイという音が特徴で、治療には気管支粘膜のアレルギー反応を抑える吸入ステロイド薬と、症状を和らげる気管支拡張薬などを使います。症状が落ち着くと良くなったかと思われがちですが、少しの刺激で喘息発作が起こりやすくなります。そうした時、刺激への過敏性を抑える治療として、吸入ステロイド剤が用いられます。適切に使用すれば副作用は少なく、安全です。主治医とよく相談して、喘息の重症度に応じて量を調整したり、他の薬を追加したりします。
ただしステロイドは効くのにやや時間がかかるため、発作に対して即効性のある気管支拡張薬の吸入薬や、胸に貼る薬が処方される場合もあります。
がんの療養中に喘息のような症状が出る場合は、アレルギーなら原因となるものを避け、喫煙していれば禁煙しましょう。
がんの広がりや転移が関わる場合やがんの薬の刺激による場合もあります。免疫力が弱り、肺の感染症になっている場合もあります。咳が何度も繰り返して息苦しさが改善しなければ、速やかに主治医に相談してください。
執筆者 | 児玉 龍彦 |
公開日 | 2023年11月13日 |
文書番号 | gw0307 |
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