ホルモン剤のがん治療での副作用:ホットフラッシュから体重増加まで

ホルモン剤のがん治療での副作用:ホットフラッシュから体重増加まで

Q.質問
ホルモン剤を使って治療を行うことになりました。ホルモン療法は治療期間が長いと聞きましたが、治療中にどのような副作用が起こりうるのでしょうか。
A.答え
ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ、発汗)、体重増加、更年期障害のような症状が現れることがあります。

乳がん、子宮体がん、前立腺がんなどの患者さんは、体内の女性ホルモンや男性ホルモンの量を調整することによって治療を行う場合があります。これをホルモン療法といい、ホルモンの量を調整するために使われるお薬がホルモン剤です。

女性ホルモンや男性ホルモンが治療によって減少すると、ホルモンや自律神経のバランスが乱れることがあります。これらがホルモン療法の副作用として現れます。

ホルモン療法の主な副作用には「ホットフラッシュ」と呼ばれるほてり・のぼせ・発汗があります。また、体のむくみ、体重の増加、更年期障害のような症状(めまい、動悸、不眠、気分の落ち込みなど)が現れることがあります。

ホットフラッシュは、時と場所を選ばずに現れ、1日に何度も起こることがあります。外出するときはハンカチやタオルを多めに持つとよいでしょう。体に熱がこもらないように服装を調整したり、室内を換気したりすることも有効な対処法です。

体重が増えることがありますので、適正体重を維持するように心がけましょう。そのためには、無理のない範囲でウォーキングをしたり、日常生活のなかでできるだけ歩いたり階段を利用したりするなど、適度な運動を毎日の生活に取り入れるとよいでしょう。また、食事の栄養バランスにも気をつけましょう。

気分の落ち込みや情緒が不安定になることもあるので、自分に合った気分転換やリラックスの方法を見つけるとよいでしょう。また、ストレスが溜まったと感じたときには自分ひとりで抱え込まず、家族や友人など、親しい人に話を聞いてもらったり、担当医やメンタルヘルスの専門家などに相談することもできます。

ホルモン療法は、使用する薬剤の種類にもよりますが、一般的に長期間に及びます。副作用についても、何度も現れるものもあれば、一過性のものもあります。わからないことや不安なことがあれば、そのつど担当医や看護師、薬剤師などに相談して、副作用と上手に付き合っていきましょう。

執筆者渡邊 清高
公開日2023年6月5日
文書番号gw0268

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