抗がん剤治療中の食事と運動と感染症予防:日常生活の注意点
Q.質問
通院で抗がん剤治療を行うことになりました。治療中、生活のなかで気をつけることがあれば教えてください。
A.答え
担当医から特段の指示がない限り、基本的にこれまで通りの生活を続けることができます。
通院で抗がん剤治療を受ける場合、担当医から指示がなければ、基本的にこれまで通りの生活を続けることができますので、これまでの習慣を大きく変えなければならないということはありません。
ウォーキングなどの運動習慣があれば、無理のない範囲で継続して構いません。また、食事についても基本的に普段通りで問題ありません。
ただ、抗がん剤の治療中は、薬の副作用が現れることがあり、そのときの状態に応じた対応をする必要があります。たとえば、細胞傷害性抗がん剤を使用した場合の副作用である「骨髄抑制(こつずいよくせい)」が現れたときは、感染症にかかりやすくなったり、感染症を起こして発熱すると急速に重症化するおそれがありますので、感染予防が大切になります。手洗い・うがい、マスク着用、人混みを避けるといった一般的な感染予防策に加え、骨髄抑制の程度によっては、食事などについて担当医や看護師から注意事項が説明されることもあります。
また、たとえば口内炎や食欲不振などの副作用で、食事が摂りにくくなったりすることもあるかもしれません。こうした場合には、食べやすいものを食べやすいかたちで少量ずつ摂るなど、工夫が必要になることもあります。
このほか注意事項として、尿や便などの排せつ物中に抗がん剤の成分が含まれることがあるため、直接触れないように気をつけ、トイレの後は石鹸でしっかり手を洗うようにしましょう。
しびれなどがあるときは、指先の感覚が鈍くなっていたり、転びやすくなったりしています。熱いものに触れるときにやけどをしないよう周りに置くものを注意したり、段差や通路に障害物がないかなどを確認しましょう。
使用する薬の種類によっても副作用や注意点は異なりますので、あらかじめ担当医や看護師、薬剤師にどのような副作用が現れるのか、副作用が現れたときの日常生活の注意点や対処法について聞いておくとよいでしょう。
執筆者 | 渡邊 清高 |
公開日 | 2023年6月5日 |
文書番号 | gw0262 |
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