抗がん剤治療中の予防接種:インフルエンザと新型コロナウイルスワクチン
Q.質問
インフルエンザが流行する時期が迫ってきました。現在、抗がん剤の治療を受けていますが、インフルエンザなどの予防接種を受けてもよいのでしょうか。
A.答え
抗がん剤による治療中でも、原則として予防接種を受けることができます。ただし、がんの種類などによっては、得られるワクチンの効果が低いことがあるので、担当医と相談するようにしましょう。
インフルエンザワクチンの予防接種については、毎年接種することが推奨されています。同居するご家族についても、アレルギーなどで接種ができない場合を除いて、全員が接種することが望まれます。
新型コロナウイルスのワクチンについても、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化や死亡のリスクを低下させることが報告されていますので、接種することが推奨されます。ただ、がんの種類や受けた治療の内容によっては、ワクチンで得られる効果が低いこともありますので、あらかじめ担当医と相談してください。
また、予防接種を受けるタイミングについては、治療との兼ね合いもありますので、担当医と相談するようにしましょう。
なお、予防接種を受けると副反応のために体調を崩すことがあります。その症状が予防接種によるものなのか、抗がん剤治療によるものなのか、あるいはがんそのものによる影響なのか、いずれかの場合が考えられますので、それぞれの症状の特徴について、あらかじめ担当医に確認しておくとよいでしょう。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがんの診療についてのQ&Aが日本癌治療学会・日本癌学会・日本臨床腫瘍学会の3学会から合同で公表されていますので、こうした情報も参考にしましょう。
◎新型コロナウイルス感染症 関連情報(一般の方向け)〔日本癌治療学会・日本癌学会・日本臨床腫瘍学会(3学会合同作成)〕
執筆者 | 渡邊 清高 |
公開日 | 2023年6月5日 |
文書番号 | gw0269 |
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