がん治療と通院:入院せずに薬物療法を受けることは可能?

がん治療と通院:入院せずに薬物療法を受けることは可能?

Q.質問
最近では、がんの治療も入院ではなく通院で受けることが増えてきたと聞きました。入院せずに薬物療法を受けることは可能なのでしょうか。
A.答え
使用する薬剤の種類や病状によりますが、通院を主体とした治療を受ける方が増えています。

がんの薬物療法では、主に(1)細胞傷害性抗がん剤、(2)ホルモン剤、(3)分子標的治療薬、(4)免疫チェックポイント阻害薬といった薬剤が使われています。

これらの薬剤の投与は、多くの場合、点滴や注射、内服などによって行われます。内服の場合は、基本的には通院での治療が可能です。

点滴や注射で静脈に直接薬剤を投与するタイプの治療薬を使う場合には、患者さん本人の希望や医療機関の方針にもよりますが、たとえば初回投与のみ入院でしっかり様子をみながら行い、以降は外来の専用治療室(「通院治療センター」や「外来化学療法室」などと名前がついていることが多いです)で行うかたちをとることもありますし、あるいは初回投与から外来で(入院なしで)治療を受けるスタイルも、以前より浸透してきました。

ただし、薬剤の種類や病状によっては、入院での投与が必要な場合もあります。たとえば、長い時間をかけて点滴投与する必要がある薬剤を使う場合や、連日の投与が必要で、通院だとそれがむずかしい場合などです。

いずれにしても、通院での薬物療法が可能かどうか、なぜ通院のみで治療したいのか、など、ご自分の考えや希望を担当医に伝え、よく相談することが大切です。

執筆者渡邊 清高
公開日2023年6月5日
文書番号gw0251

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